男の浮気|男性が浮気するのは当たり前?女性の浮気は許せない?

「男性は浮気をするもの」女性の中には、この考えを信じている方、多いのではないでしょうか。

一方で、男性の中でも浮気を嫌っている方はいますし、浮気をしたい願望があっても“浮気をしない”男性が多いのも事実です。

そこで今回は、実際の相談内容をもとにプロのカウンセラーが「男性の浮気」について詳しく解説していきます。

男の浮気は当たり前?

かつて男尊女卑がまかり通っていた時代、また、家長制度が一般的であった時代には、女性は家に、男性は外にその活動の主体を置いていました。また、成功した男性が妾宅(しょうたく)を構え、女性を囲うことは一種のステータスと見なされていた時代もありました。

現代にも、それは“名残”として残っているものの、堂々と“男の浮気は甲斐性の表れ”的な称賛を浴びることは少ないでしょう。むしろ、男性同士でも恋人や妻がいるのに浮気をしている男性を疎んじる場合も少なくなく、逆に“だらしない奴”と思われることもあるくらいです。

もともと男性は、機能的に多くの女性と交わることが可能です。また、性欲も若い時代は特に強いですから、その欲求の解放のためや、いわゆる「いい女を抱く」というハンター的気質により、恋人や妻がいても、他の女性を求める傾向はないとはいえません。

しかし「男は必ず浮気するもの」という概念は、言葉としては残っているものの過去のものとして受け止めてもいいのではないかと考えられます。実際、浮気にまったく興味のない男性も昨今では非常に増えているのも事実です。皆さんのまわりにも、そういう男性が多いのではないでしょうか。

しかしながら、クライアントさんが抱える相談の4割くらいは彼氏、もしくは、夫の浮気問題。してはいけないものだけれど、決してなくならないもの、でもあるようです。というのも、浮気をする心理というのは、以前の“男ならば当然”的な考えから、より心理的・感情的な理由へと移り変わってきているからです。そういう意味では、女性が浮気をするのと同じようなものと考えてみてもいいと思います。

たとえば、仕事に疲れていた時にそっと慰めてくれる女性が偶然隣にいて、その子にふと気持ちが移った…とか、彼女が怒ってばかりで寂しくなり、その気持ちを埋めてくれる女性に安心感をもった…とか、パートナーとの関係が恋人や夫婦というよりも兄妹のようになってしまい、性の対象ではなくなってしまった…とか。

したがって、浮気を防ぐにはパートナーとの関係性を良い形で持続することが大事です。お互いをより良い関係にしようと前向きにとらえていれば、浮気をされるという問題を回避することも可能なのです。

男性は同時に何人もの女性と付き合える?

男性はもともとハーレム願望というものを持っています。日本風にいえば「大奥」ですね。多数の女性に囲まれた“王様像”を求める心理です。

男性は子どもができたからといって、おなかが大きくなるわけではありません。むしろ、種を蒔いてそれで終わり、みたいなところもあります。ですから、恋愛感情や倫理観を除けば、あちこちに自分の子どもを同時に作ることも可能なんです。

これは心理的というよりも、生理学的な問題かもしれませんが、そもそも男性は優秀な者しか子孫を残すことはできません。逆に、優秀な者はとにかくたくさんの子孫を残し、反映させることが種の保存という立場からも必須です。

今でも競馬のサラブレットやブランド牛など、動物の世界では当然のように種の選別が行われていますよね。人間も動物ですから、かつては、強い者しか子どもを残すことが許されなかったのです。

だから、男性の性能としては、同時に複数の女性とお付き合いすることは可能です。また、そういう願望を男性が持っていないかと言われたら、それは“NO”かもしれません。

とはいえ、実際に何人もの女性とお付き合いするのかどうか? というと…それはかなり限定的になるのではないでしょうか。

来るもの拒まずで、どんどん彼女を作るという男性もいないことはありませんが、昔に比べたら、はるかに少なくなってきています。また、女性も社会的に力をつけてきて、以前より平等になり、男性も“女”だからと見下すのではなく、対等な存在として意識し始めています。

ですから、恋人や妻をただ1人の相手として大事にしたいと思えば、本能が求めるからと複数の女性とお付き合いすることはなかなかできないでしょう。ただ、セックスに対する興味がもっとも高い10代から20代前半にかけては、セックスを目的として多くの女性とお付き合いしてしまう男性も比較的いるのかもしれませんね。

さて、同時に何人もの女性とお付き合いしている男性が、その女性たちを平等に好きになれるか? と言われたら、それは女性の皆さんが感じることと同じではないかと思うのです。たとえば、大奥にせよ、宮中の女性たちにせよ、将軍や帝の寵愛を浴びる女性はたいてい、1人か2人で、その他の女性たちは嫉妬したり、無価値観に悩んだりしていますよね? 

やはり、特定の女性がお気に入り、ということにならざるを得ないものだと思うのです。そういう意味では複数の女性と付き合っている男性がいた時も、大まかな順位をつけていたり、用途を絞っていたりするものです。ショッキングな内容だったかもしれませんが、男性心理の1つの側面として受け止めておいてくださいね。

自分の浮気はいいけど、女性の浮気は許さない?

自分に都合よく解釈して行動してしまう人ってどこにでもいますよね? いわゆる「自分に甘く、他人に厳しい人」。自分は許せても、相手は許せない人。

そこだけ取ってみると“サイテーな奴”に思えるのですが、得てしてそういう人は人間的な魅力も兼ね備えていることも少なくなく、意外とモテるんです。なぜかというと、個性的だから。わがままというか、自分勝手というか、でも、よくいえば、自由人なんですよね。一緒にいて楽しい、面白い、刺激的、ワクワクドキドキする、そんな感情を引き起こしてくれたりするんです。

だから、こういうタイプの男性と付き合っている女性は、案外、別れたいけど別れられない、なんて思っていることが少なくないのです。人って「すごくサイテーな部分」を持っていると、バランスを取るように「すごく特別な部分」を持っていたりしますから、そこがたまらない魅力にも映るんです。

そして、このタイプの男性は「自分は浮気してもいいけど、彼女にはしてほしくない」。しかも、頭に(バレなければ)が付けば、かなりの男性は「自分は浮気したい」願望を持っているでしょう(思っていることと実行に移すことは別ですが…)。

そもそも、男性らしさを司る男性性という要素の中には「所有欲」や「独占欲」があります。要するに、自分のものにしておきたい、という欲求です。これは女性にもありますが、男性の場合は「征服欲」の1つといえるので、「自分のものであるはずの女性が浮気をするというのは、末代までの恥さらし」といった傷つき方をしやすいのかもしれません。

人を“所有”すること自体が、現代では「道理に反する」ことになってしまうわけですが、心情的にはそうした思いを持ちやすいんです。だから、女性に比べて男性の方が、相手の浮気には厳しい態度を示すことが多くなります。また、女性ほど一般的ではないのですが、男性もまた嫉妬をします。実は男の嫉妬というのは、ほんとドロドロした陰湿なものが多いんです。

ちなみに、「男は浮気してもいいけど、女はダメ」と思っている男性にインタビューすると、きっとこんな答えが返ってきます。「男の浮気は浮気で、本命は彼女。だから、いずれは戻ってくる。でも、女の浮気は本気でしょ?  だからダメ」こう思っている男性は多いようで、ゆえに「彼女の浮気は許さない」という気持ちにつながりやすいのかもしれませんね。