もしかして、彼氏や夫が浮気しているかも…。付き合う人はいつも浮気癖がひどくて…。
このように“男性の浮気”について悩んでいる女性の方、多いのではないでしょうか?
今回は、実際の相談内容をもとにプロのカウンセラーが「浮気する男性の心理や行動」について詳しくアドバイスしていきます。
目次
浮気する男性は“恋人”と“浮気相手”を分けて考えられる?
“恋人”と“浮気相手”を分けているとすれば、浮気をする男性にとって、恋人と浮気相手はどう違うでしょうか。同時に複数の女性と付き合える心理をみていきましょう。
男性が女性に求める要素は、“愛する”、“愛を与えてくれる”、愛の対象、性的欲求を充足してくれる、安心感、高揚感、癒やし、などさまざま。これらの要素のうち、自分にとってもっとも重要なものを、またはより多くの要素を満たしてくれる女性に魅かれ、パートナーとして選びます。
浮気をする男性の場合、この願望が、一人の女性で収まらずに複数の女性に向けられているというわけです。このとき、恋人と浮気相手とでは求める要素が異なる場合が多いようです。たとえば、恋人とは長期的で安心できる関係を築いていくことを求めている一方で、浮気相手には短期的な刺激や楽しみを求めているという具合にです。
たとえば、恋人には清楚で清純な要素を求める一方で、浮気相手にはセクシーで小悪魔的要素を求めるというように、それぞれ相反する要素を求めたりするわけです。
また浮気をしてしまう男性の行動の背景には、ただ相反する要素に魅力を感じて複数の女性に興味をもって浮気をしてしまうというケースとは別に、“自分のすべてを愛し、受け入れてくれる女性なんていない”という自己否定、“自分には女性から十分に愛されるに足りうる価値はない”という根本的な無価値観が潜んでいる場合もあるようです。
この場合“一人の女性からは得られない”と感じる愛の数だけ、複数の女性を求め、浮気をくり返すというケースに発展することもあるのですが、この場合、どんなに多くの女性と付き合い、手に入れたい“愛”を少しずつ手に入れることができても、不十分であるという感覚は充足されることはなく、いつも足りないという感覚を手に入れていることになってしまいます。そうなればつねに満たされない、心から空虚な感覚が消えないということにもなってしまいます。
半面、相反する要素を他の女性に求めず、恋人だけに一転集中求めたとしたらどうでしょうか。清楚な恋人に、セクシーな小悪魔要素を求めるという具合に。そうすると、セクシーな要素は、本来その要素を持ち合わせていないように見えた清楚な恋人の中にめばえてくるということも可能性としては考えられますね。
私たちは、自分の100%理想とするパートナーにめぐり合えることは奇跡のように感じています。だから恋人と浮気相手を分けて、別々の相手から望むものを少しずつ手に入れようとします。でも、すべての要素を恋人に求める、理想のパートナーに求めることができたとしたら、人生は変わっていくかもしれませんね。
実は浮気相手といるほうが…気がラク? でも見方を変えてみると…
パートナーが浮気! しかも「浮気相手といるほうが、気がラクってどういうこと!?」パートナーの浮気が発覚した時もっともショックなことの一つは、“浮気”をしていた彼が、自分といる時よりも何か楽しそう、嬉しそうに思われることかもしれません。
でも残念ながら、“浮気相手といるほうが、気がラク”ということは実際にあるようです。では、なぜ男はパートナーより、浮気相手といるほうがラクなのでしょうか? それは、浮気相手とは人生のうちの一部分しか共有していないためかもしれません。
私たちは、パートナーとの間で様々なものを共有しています。それは、部屋や本、CDに家具などの物質的なものから時間や空間、感情といった目に見えないものまで。特に、パートナーシップを高めていくために重要なのは“感情”の共有。一緒に旅行に行った楽しい思い出、恋愛のドキドキや高揚感。私たちは、多くの感情をパートナーと共有しているのですが、その感情は必ずしもポジティブなことばかりではありません。むしろ、ネガティブな感覚、困難さえも共有していくのが本当のパートナーシップといえます。
ところがそんな困難を共有せず、恋愛の楽しい面ばかりを取り出して共有しているのが“浮気”相手との時間なのかもしれません。そこには長期的に人生を構築していく責任が伴わない分、ラクな人間関係だけで簡単に済ませることもできるのです。
ところが、困難を乗り越えるごとに絆は強く、親密感は増していくもの。いざこざが起こる時期、私たちはふたりの関係そのものに問題があるのでは? と感じてしまいますが、実際にはいざこざのない関係などありません。長く付き合えば付き合うほど、お互いの嫌な面、考え方の違いが浮き出てくるもの。長期的に良好で、かつ親密な関係を築くには、いざこざを越え、ポジティブな感情はもちろん、ネガティブな感情も分け合っていくことが不可欠といえます。
浮気相手といるほうがラク、というのは見方を変えてみると、長期的な関係を築くことを目指していない短期的な関係だからこそ成立しているのかもしれません。
男の30代の浮気は勲章? その行為が招く結果に果たして…
「浮気は男の甲斐性」とは時代錯誤の表現かもしれませんが、甲斐性とまでは言わずとも、浮気はひとつのステイタスであるような感覚を持っている男性もいるようです。女性陣の大ブーイングが聞こえそうなこの感覚、いったいどこからやってくるのでしょうか。
一般的に、男性が浮気に走る時の心理的背景には“自信”にあると言われています。英雄色を好むともいうように、男性にとっての成功の象徴は“女性と金”。社会人になって仕事を覚えるのに必死だった20代を経験し、ある程度自信も身についた30代は収入も安定する頃。若いうちにがんばってきたんだから「ちょっとくらい遊んでもいいでしょ」といった心のスキが生まれやすいのかもしれません。
また、20代後半から30代前半に結婚した男性にとって、30代も半ばを過ぎた頃は、子どもが生まれるなど、夫婦関係にも変化の生まれやすい時期。妻の妊娠中に夫の浮気が増える、という統計調査もあるくらい、現実的に浮気が発生しやすい危険ゾーンといえます。
そういった心理的・環境的背景から、30代で経験する浮気は、大人の男性としての通過儀礼、ステイタスのように考えてしまう男性もいるのかもしれませんね。
でも、大多数の男性は浮気に伴うリスクを十分に理解しています。その行為が招く結果に対する恐怖、そしてもちろんパートナーへの誠意とそれを裏切ることへの罪悪感を抱いています。
もし浮気を勲章と心から言える男性がいたとしたら、それは本当に英雄と呼べるくらいの豪傑、はたまた大物か超自信家。もしくは大バカもの。もし、「浮気は男の勲章」と口にする男性がいたらほとんどの場合、浮気をしてしまった罪悪感や、それが発覚した時予想される大惨事から目を逸らし精一杯、正当化しているだけかもしれません。
浮気がバレると…男性はどんな行動を取る?
不審なメール着信に怪しい行動。「どうもおかしいと思ったらやっぱり!!」浮気がバレた! その時男性はどんな行動を取るでしょう。謝るでしょうか? はたまた開き直る?
いえいえ、浮気がバレた時、多くの男性がはじめにとる行動、それは“絶対否認”認めないということ。確定的不利な証拠を突きつけられても、「はい、そうです」とはなかなか認めることはできないのです。
なぜなら、認めてしまうと、その先に待っているパートナーの反応が怖すぎるから。そう、男性にとって、浮気がバレることは、それほど恐ろしいことなのです。
もし「ああ、そうだよ」と呆気なく認める彼氏だとしたら、それは相当の自信家か、すでに開き直りモード。でもほとんどの男性は、まず“否認”、認めないのです。そしてそれでも逃げ切れない、と観念するや一転“平謝り”。
浮気がバレた時、多くの男性がとる行動は、まず“認めない”そして、諦めるや「ごめんなさい」なのです。「謝ったって、許してやるもんか」女性はそう思うでしょう。
その通り、謝ったって許してもらえないだろう、それが分かっているから、簡単には認めない。認められない。バレバレの浮気を認めないのも、平謝りするのもそれは、彼女に許してもらえないと思うから。つまり、その背景にあるのは“彼女の気持ちが自分から離れていくのが怖い”という本音なのです。
「俺様的自信家タイプ」の彼は、多少浮気をしたって彼女の気持ちは離れない、という自信があるから、浮気がバレても呆気なく、それを認めてしまうのかもしれません。
そして、多くの浮気男性が見せる言動で、女性が一番理解しがたいものの一つが、次にやってくる“怒る”という行動。
「こんなに謝ってるんだから、許してくれたっていいじゃないか!」とキレてみたり「最近、構ってくれなかったじゃないか!」と駄々をこねてみたり「俺だって男なんだから仕方ないじゃないか!」とよく分からない理屈を持ち出してみたり。
「浮気をしたのは彼氏なのに何で怒られるの?」「何で逆ギレしてんの?」と不思議に感じたり、私がいけなかったの? と悲しくなったりしてしまったりすることもあるでしょう。
でも、この“怒る”という行為は、肉食系・草食系、体育会系・文化会系、男性のタイプは変わっても、すべての男性が取り得る行動なのです。
では、何故、浮気のバレた男は“怒る”のでしょうか? そこには、大きな罪悪感が隠れているようです。
今の時代、「浮気は男の甲斐性だ」と考えている男性はほとんどいないでしょう。みな、「浮気は良くない」と思っています。もし、浮気を甲斐性だ、と思っていたとしても、彼女を悲しませても良い、と思っている男性はいないはず。女性からみれば勝手な言い分に聞こえることですが、男はみな少なからず「浮気に罪悪感」を感じているものです。この罪悪感が男に“怒る”という行動をとらせる根源になっているのです。
私たちがもっとも感じたくない感情の一つがこの“罪悪感”。罪の意識を感じると、私たちの心は無意識にその罪悪感を妨げるように別の感情を呼び起こそうとします。そして表面化してくるものが“怒り”という感情なんです。
「謝ってるんだから、許してくれてもいいじゃないか!」と怒った言動の背景には、“どんなに謝って許してもらえないくらいひどいことをしてしまった”という罪悪感があり、その罪悪感を隠すために“怒り”という強い感情を使って、感情にバリアを張ろうする働きが隠れているのかもしれません。
ちなみに、この段階では“怒り”ではなく“泣く”という行動が表れることもあります。(場合によっては“怒り”の次に表れることも)
「ごめんね、俺が悪かった。もう許してもらえないよね。」と涙を流す背景にも同じく、罪悪感を悲しみに置き換えようとする無意識の働きが隠れているのかもしれません。
このように、浮気がバレた時の男の言動、その背景には多くの場合“許されない”という怖れと、罪悪感が隠れています。「だったら浮気なんかするな!」という女性陣の声に震え上がるばかりの男性陣。まったくその通り、浮気なんてしなければいいんです。でも、もしあなたの彼氏が浮気をしたら、そしてそれでもふたりの関係を続けていこうとお考えなら、この罪悪感を刺激し続けることは得策ではないかもしれません。
“否認”し、“謝り”、そして“怒る”“泣く”の次にやってくる行動。それは“逃げる”。人は、罪悪感を抱く場所には留まっていられないもの。長く罪悪感を抱いてしまう場所からは距離を置きたくなってしまいます。
それは“お別れ”、という物理的な距離感に限らないもの。一緒にいるのに心の距離が離れてしまう、なんてことも考えられます。親密さを感じないという時、ふたりの間には罪悪感という感情が横たわっているのかもしれませんよ。
男性はどういう時、浮気したくなる?
「すえぜん食わぬは、男の恥」とは、ちょっと古い表現ですが、魅力的な女性と一夜を共にするチャンスがもしあったら、男性はみんなその気になってしまうのでしょうか?
「絶対する! するに決まっている」という女性陣に、「そんなことないって…」と反論する男性陣の声はやや小声で自信なさげでしょうか。
男性が浮気をしてしまう背景には、心理的要因と本能的要因があるようです。本能的というのは、頭ではわかっているのに身体が反応してしまうというもので、性的魅力を感じて衝動的なタイプの浮気。
とはいえ映画や小説の世界のように、魅力的な女性に誘惑されて衝動的に一夜限りの…というケースは稀で、実際には何らかの心理的要因があって、浮気という行動が引き起こされていると考えられます。いずれにせよ、女性陣からみれば浮気は同じ、弁明の余地はないのかもしれませんね。
では、男が浮気をしてしまう心理というのは何なのでしょう。そこにはどんな感情的トリガー(引き金)が結びついているのでしょう。
一般的に、男性が浮気に走るときの心理的背景には自信があるといわれます。収入も安定、仕事もバリバリこなす中年期以降に浮気が増えるのはそのためかもしれませんね。
一方、女性の浮気は正反対の場合が多く、パートナーが多忙で寂しい、話を聞いてくれない、わかってくれない…など、心にスキマを感じるとき、そのスキマを埋めてくれるような相手が現れると浮気に発展してしまうことが多いようです。女性の浮気には“ひとりではいたくない”“誰かにそばにいてほしい”という心理的背景があるようです。
男性の場合、ビジネスや社会生活で自信を失うと、ひとりでいたい、誰とも関係を作りたくない、と思う場合が多いため、浮気すらおっくうになってしまうのかもしれません。でも、もう少し深いところまで男性の心理を探っていくと、そこには意外な素顔が隠れていることもあります。
つきあうまでは男らしくてカッコよかった彼がつきあったとたん子どもみたいに甘えてきて戸惑ったという経験はないでしょうか? また、性生活に関しても、たまたま疲れていたから「今日はゴメン」と断っただけなのに、まるで捨てられた子どものように落ち込んだり、逆に駄々っこのように怒り出したりしてビックリしたことはないでしょうか。
こんな男性の行動の背景にあるのは、自分の望む形で愛されたい、受け入れられたい、わがままやダメなところまで全部まとめて受け入れてほしいという願望で、それは本来、母親に求める愛の形なのですが、恋愛においてはパートナーに向けられる場合があります。とはいえこの願望、本来、母親に満たしてもらうものになりますので、どんなにパートナーががんばってみても、満足できる・充足されるということがないのです。
ON(ビジネス)の生活においては、バリバリ仕事をこなしてある程度評価もされている、それなりに自信もある。にもかかわらず、OFF(私生活)では「自分の望む形で愛されたい、受け入れられたいという気持ちがパートナーに十分に満たされていない」という心理的欲求不満の状態。こんなときにも男は浮気に走ってしまうことがあるようです。
時にこの“満たされない”という感情が強くなると、誰も自分を十分には愛してくれないという気持ちになってしまう場合があります。この背景には、愛されない自分という自己嫌悪や無価値観が隠れているのですが、そうなると、ひとりの女性からは十分に愛情を得ることができない、と考え満たされない愛情を複数の女性からもらおうと二股・三股、なんてつきあい方をしてしまうこともあります。
このように、男性の浮気は表面的な成功や自信、それに相反する不満や自己嫌悪、無価値観が感情的トリガーとなって引き起こされることが多いようです。
「ちょっとまって! 寂しい思いをしているのは男だけじゃないわよ!」「仕事、仕事って放ったらかしにしといて、寂しいなんて勝手よ!」という声が聞こえてきそうですね。
そう、男性が仕事での評価を求めて働いている間、仕事や家事・育児で忙しいのは女性も同じ。欲求不満なのも、寂しいのも同じ。それはお互い様なんですね。まして、結婚や同棲、交際期間が長くなれば長くなるほど、「わかっているはず」という過信がお互いに生まれやすくなります。過信があると、それぞれがちょっとずつ気持ちを伝えることを怠けたりもします。この過信がディスコミュニケーションを生み、気がついたらお互いの心に距離が生まれていることも。
男性、女性にかかわらず、私たちが浮気に走る背景、そこには感情のディスコミュニケーションが隠れているのかもしれません。