告白したけど、返事がなかった…
別れの理由に納得できない…
職場が同じ相手に振られてしまった…
今回は状況別に辛い失恋のエピソードを紹介します。
プロの心理カウンセラーがアドバイスする失恋の処方箋とは?
告白したけれど、相手からの返事はナシ…
好きな相手に自分の気持ちを告白するということは、とても勇気のいることですよね。それは「好き」という思いが心の深い部分から出てくる感情だからです。
だから、それを表現している時というのは、心が裸にさらされているようなものなんですね。怖いし、思いが伝わらなかった時は、とても傷ついてしまいます。
もしもあなたが、それを当たり前のようにやってのけられたのだとしたら、あなたはとても素直で自由な魅力を持った人なのでしょう。
もしあなたが、恥ずかしさや怖さを乗り越えて、勇気を出して告白することができたのだとしたら、あなたはそれだけでもうすでに一皮も二皮もむけた魅力を手に入れたのだと思います。ですからまずは、そういう自分を大いに褒めてあげなくてはいけません。
あなたは、自分の気持ちに正直でいることを選ぶことができました。そしてそれを「伝える」というチャレンジができました。
その次のステップとしては、相手にもまたあなたと同じように、自分の気持ちに正直でいてもらう、ということです。それがたとえ、あなたが望んだ答えでなかったとしても、です。
難しいことかもしれませんが、それができるような相手とはどんな人でしょうか? きっと素敵な人だとは思いませんか?
そして、そうした相手のことをあなたは振られた後もきっと好きでい続けるでしょう。そんな成熟したあなたになることを、自分自身に許すこと。それをあなたの次の目標と考えてみてはどうかと思うのです。
とはいえ、その前に、まずは今、振られてしまった悲しみをしっかりと癒やすことが先決です。この辛さを乗り越えるために、すぐに別の恋愛を探したり、相手を無理やり嫌いになったりすることは、あまりおすすめできません。一時的には回復したように感じても、時間が経ってから癒やされていない感情が、別の形で影響することがあるからです。
ですからまずは、今感じている怒りや寂しさ、悲しみなどの気持ちを、誰か信頼のできる人にしっかり聞いてもらいましょう。近くにそういう人がいない場合は、思わず涙が出るような感動的な音楽を聴いたり、感情を素直に出せる映画を見たりするのもいいと思います。
感情は、感じることでどんどん昇華されていきますので、根気よくその都度放していくと、辛い気持ちも徐々に軽くなってきます。
誰よりも自分を大切に扱うつもりで、自分をいたわってあげてくださいね。
一方的に別れを告げられ、その理由にも納得できない
一方的に別れを告げられた方にとって、その理由の多くは納得できないものかもしれません。
「お互いが努力すれば、もっと改善できるはずじゃないの」
「もっとちゃんと話し合えば 変えられるに違いないのに」
「そんな不満を今まで一言も言ったことがなかったじゃない」
などなど、むしろあなたから言いたいこともたくさんあったでしょうね。
別れを告げられた直後は、感情がジェットコースターのように大きく動きます。ショックで目の前が真っ白でパニック状態になったり、少し落ち着いてくると、今度は罪悪感や相手への怒りが出てきたり、どうしようもない不安や寂しさが襲ってくかもしれません。
失恋してしまった時というのは、自分のことが、まるで手に負えないように感じてしまうこともあります。そんな中で「現実を受け止める」ということは、自分自身の中に湧き上がってくる感情の一つ一つをしっかりと感じ取ること、といえるのではないかと思います。
ところが、多くの場合、私たちの心はネガティブな感情を抱くと、とても苦しいので、それを感じないように巧妙に回避してしまったり、本当の感情に触れないために、頭と心を分離させてしまったりすることもあるんですね。
たとえば、「辛いと感じているのに、大丈夫なふりをして笑ってしまう」「楽しいと感じてしまうと、苦しんでいる人を裏切っているような気がするので、楽しいと感じないように抑制する」「苦しさを手放してしまうと、相手との関係が完全に切れてしまう気がして、手放せない」などです。
あなたに上記のどれかがあてはまりませんか?
そこにはあなたが本当に感じている感情が隠れているかもしれません。
いずれにしても、辛い感情に向き合っていくことは、苦しい作業です。もしできれば、誰かにそのプロセスを一緒に歩んでもらうといいと思います。そして、その苦しい作業に向き合うことで、あなたの心の器が広がり、そこには今よりたくさんの幸せが入ってくるようになるのです。
振られた相手と職場が一緒
失恋してしまった相手と常に顔を合わすことになる場合は、心に受けた傷がまだ癒えてもいないのに 何度も何度も傷口を触られるようで 本当に痛いですよね。
「会う機会がなければもっと早く忘れられるのに…」と考えてしまっても無理はないと思います。その痛みに向き合うのがあまりに辛くて、その場に行かなくなってしまったり、仕事でさえ辞めたくなったりしてしまうこともあるでしょう。周りの人たちの気遣いが、よけいに辛い気持ちを刺激することもあるかもしれません。
でも、その痛みは、怪我でいえば通常よりもハードなリハビリをしているようなもの。ふられた相手と顔を合わせることで出てくる感情は、心が癒やされていくために必要なものなのだということを、まずは自分に対して認めてあげてほしいと思います。
現実と向き合うというのは、今、起こっている自分の感情と向き合う、ということです。湧き上がってくる感情を「ダメダメ、いつまでもこんな気持ちになるなんて!」と抑制しすぎると傷が癒やされるのにもっと時間がかかってしまったり、忘れた頃にその問題が頭をもたげたりしてくることがあります。
とはいえ、小さな子どものように感情を常にあらわにすることなどは難しい場合も多いですよね。そんな時は、ただ「悲しみがあるな」とか「怒りがあるな」「寂しさがあるな」と、自分がその感情を抱いていることをありのまま認めてあげることが大事なんですね。
もし、それを聞いてもらえる誰かがいたら、その人を頼ってみるのも良い方法です。そして、聞いてくれた人に「ありがとう」と、感謝を伝えること。身近にそういう人が見つからない時はカウンセラーに話すのも一つの選択肢です。人との心の交流があると、自分は一人ではない、という思いが感じられ、傷を癒やす期間が少し楽に過ごせるようになります。
また、ふられた方が傷ついているのは当然ですが、ふった方もまた別の形で傷ついていることも多いのです。自分だけが辛いと思わないことで、辛い時期を乗り越えようという勇気も出てくるのではないでしょうか。
十分に悲しむことを自分に許すことができれば、傷ついた自分を手放しやすくなり、成長した自分を受け入れることができると思います。あなたがこれから、さらに心の内側から光を放っていけるよう、応援していますね。