既婚女性の不倫|家庭があるのに浮気したくなる心理・足を洗う時

夫がいるにもかかわらず、他の男性との恋に走る既婚女性…そこに隠された心理、そして原因は何があるのでしょうか?

中には自分から浮気相手を求めるケースもあれば、心ならずも不倫・浮気してしまうケースもあるそうです。

今回は、実際の相談内容をもとにプロのカウンセラーが「既婚女性の不倫の心理と原因」について詳しくアドバイスしていきます。

既婚女性が浮気に走るのは、セックスに満足していないから?

既婚女性が浮気に走る理由は、寂しさだったり、刺激を求めてだったり、という理由もありますが、“セックスに不満”という理由で、他の男性を求めることも少なくないようです。

こういう理由、以前は男性側が多かったんですけれど、時代の流れでしょうか。女性にとっても、セックスはとても大切で、素晴らしいもの、という意識が広がってきていて、その傾向の表れかもしれませんね。

そして、セックスの一番の不満は、やはり回数が少ないということ。レスだったり、レスとまでは言えないものの、非常に回数が少ないと、やはり寂しくなったり、夫から女として見られているのか不安になったりしますよね。

また、回数は多少あったとしても、夫の自己満足だったり、おざなりだったりするセックスには、当然、不満を持ちますね。女性としては、ちゃんと愛されたい、もっと大切にされたいと感じますから。

女性にとってセックスは「愛情表現」であり、「つながりや安心を感じる手段」でもあるのです。

だから、セックスに不満を持ち始めると、「愛されていないのかしら?」「他人のような気がして寂しい」「不安が募ってしまう」といった感情を引き起こします。そんな時に、自分を女として見てくれる存在が現れたとしたらどうでしょう。

どうしても気持ちが傾いてしまうと思いませんか?

寂しさや愛に対する渇望感が強ければ強いほど、罪悪感を持ちつつも、一度走り出した思いは止まらなくなります。実際、こういう理由で浮気した人に会うと、強い罪悪感がある分だけ、「もう後戻りできない」気持ちを持っていることも多いんですね。

でも、背景には「夫への不満」があるわけですから、そこを解消しないと浮気問題は解決しないんです。つまり、今の浮気を止めたとしてもトカゲのしっぽ切りにしかならないわけです。

カウンセリングやセラピーでは、まずは浮気の背景にある、女として見られない寂しさや不安などの“感情”を大切にします。そして、その気持ちを受け入れて、理解するところから問題解決に向かいます。なぜ、浮気してしまったのか。あるいは、浮気したくなってしまうのか。

それを理解しようとするだけでも、少しは落ち着いてくるはずです。

セックスレスからの浮気…心は何を求めている?

夫婦がセックスレスに陥った時、妻は、自分が女として見られていないんじゃないか? という不安を抱くことが少なくないようです。「お前は女じゃない」と言われているような感じがする人も少なくないと思われます。

また、女性にも当然ですが、性欲はあります。その性欲が満たされないレスの状態だと、どうしても、不満を解消するほうに心は動き始めます。

実際に、女性の場合、性欲は20代後半から大きくなり始め、40代前半にピークを迎えると言われます。ですから、30代も半ばになれば、同い年の夫よりも妻のほうが性欲が強くなっている、というケースだって普通にありえるのです。(男性のピークは20代前半から後半と言われています。)

そういう時に、自分を女として扱ってくれる存在、性欲を満たしてくれる存在が現れたとしたら、とことん虜になってしまってもおかしくありません。自分のことを女としてみてくれるだけでも、十分に嬉しく感じるでしょう。それで、浮気に走ってしまうことも十分に考えられます。

でも、同時に、浮気には罪悪感という感情がつきまといます。罪悪感を忘れようとしていても、つい「自分は悪いことをしている」という思いに駆られ、特に、もともと男性よりも感受性が豊かな女性の場合は、より強く自分を罰します。そのため、かえって、浮気から抜け出せなくなることも少なくありません。

また、一度、女としての自分を思い出すと、今さら、自分を女扱いしてくれない夫と向き合うのはうんざりしてしまうもの。だから、多くの女性は、自分に言いわけをしつつ、関係を続けようとします。

浮気を続けてしまうのは、それなりの理由があるからなんですね。そして、浮気を通じて得られるもの、すなわち、何が夫婦生活に足りなかったのかを、少しずつ感情的に導き出していく必要があります。

実際にこのようなケースがあります。以前、夫との関係にはなかった、「居場所」「安心感」「女として愛されている感覚」「セックス」を満たしてくれる男性と浮気を繰り返していた女性がいました。

でも、彼女はしばらくカウンセリングを続けた後、ご主人が転勤になったことを機会に、自分から「ちゃんと夫と向き合おうと思いました。こんなことをしていても、かえってむなしいということに気づいたんです」と言ったのです。

そこで、「どうして、そう感じるようになったの?」と聞いてみると、「結局、居場所や安心感って自分で見つけるものだから、夫との生活の中でそれを作れなかった自分にも非があると思うんです。夫も私のこと、女としてそれなりに見てくれているのかなって、最近、思うようになったんですね。後はセックスですが、これは徐々に解決していければいいかな、と。セックスそのものを求めているというよりも、愛情が欲しかったんだな、って気づきましたから」と答えてくれました。

罪悪感を通してではなく、純粋に自分を見つめられるようになっていくと、こうした本音に気づくことも少なくありません。

まずは、自分を責めることなく、素直に今の気持ちを認められたら良い、と思うのです。何が欲しいんだろう? 何を感じているんだろう? すべてはそこから始まります。

なぜ、家庭があるのに浮気したくなるの?

素敵なパートナー、かわいい子ども。良い生活をさせてもらって、何不自由なく暮らしていく…。そんな生活は皆さんの憧れなのかもしれませんが、この状態、実はとっても怖いんです。なぜかというと、私たちは“退屈”を何よりも気にします。

何不自由なく…と感じた時点で、きっと気持ちは将来に目を向けます。すると、ふと、悪魔が耳元でささやくんです。

「このままでいいの? ずっとこのままでいいの?」

何か心がざわざわして、居心地が悪くなります。このまま年を取っていくのは、何となくイヤだと…。

さて、そんな方たちは、素敵なパートナー、かわいい子どもの前で何を抑圧してきたのでしょうか。それは「女(男)」の部分ではないでしょうか。

私たちはどうも良い家庭という図式から“色気”、すなわち“セクシャリティ”を排除したがるようなんですね。また、恥ずかしさなどの文化から、とかく性的なものを排除しようとする傾向もあります。でも、抑圧していたとしても無くなったわけではないんです。

だから、「このままでいいの?」は「このまま、二度と女(男)を感じられなくてもいいの?」という意味だったりするんです。それは既婚者であっても、年を取ったとしてもイヤなこと。

そんな時にふと魔が差して、浮気に走ってしまうことがあります。そして、抑圧していたぶんだけ、ものすごく大胆になれる場合もあるんです。そうなると、もう虜になってしまいます。表の顔とは違う、女(男)の自分がどんどんあふれ出てくるからです。

さて、ここまで読まれてドキッとした方は、心を覗き込んで、そんな「女(男)」の部分を、隠してないかな? 抑圧してないかな? と、自分自身に探りを入れてみてください。特に20代から40代の女性の皆さん、要注意ですよ。

幸せなパートナーシップを築くために…不倫からの卒業

自分が既婚で、相手が独身、その後、自分が離婚をして、相手と結婚をして幸せになる。

自分も相手も既婚のダブル不倫、その後、両者とも離婚をして、再婚をして幸せになる。

成就して幸せになっている方もいないわけではないのですが、不倫というのは心に大きな罪悪感を残すものですから、途中で関係がうまくいかなくなったり、元サヤに戻ったりすることも少なくないようです。

ですが、自分の夫婦関係に何か問題があったり、崩れかけていたりすることから、浮気がスタートしているはずです。夫婦関係がうまくいっているのだとしたら、浮気に走る理由がないはずなのです。

たとえば、自分が既婚で、相手が独身の不倫関係になったとしましょう。

仕事人間で家庭には見向きもせず、自分を異性として扱ってくれないパートナー。最初は寂しさを紛らわすつもりで始まった相手との関係に、いつの間にか本気になっていく自分。

真剣にパートナーとの離婚を考え始めたのに、それを伝えた途端に、急に弱腰ではっきりしない態度になった相手。愛してくれていると信じていたのに、後腐れなく都合良く付き合いたかっただけなのだろうかと、不安になってきて・・・。浮気をしている時は楽しかったけれど、本気になった途端、相手の態度に不信を感じ家庭に戻る、という場合ということも少なくありません。

もし相手と結婚できたとしても、今度は自分が相手のパートナーのポジションに入るわけですから、疑いも出てくるのです。また相手が、かつての自分と同じように浮気相手を作るのか不安で仕方なくなるのです。相手にはその実績がすでにあるのですから。

こうした立場になってみて、浮気される側の気持ちを体感して、さらに強い罪悪感を抱く方もいるようです。このような経験をすると、裏切った後悔からパートナーを思う気持ちが強くなり、この苦い経験が元サヤに戻るきっかけになる時もあるのです。

家庭に戻っても、強い罪悪感や不安を抱えたまま、生活をしていく方も多いのです。たとえパートナーにバレなかったとしても、「いつか罰せられる」「悪いことをした」という思いが、なかなか消えないものなんです。

浮気をしてしまう前からセックスレスであったり、ケンカが多かったり、なんらかの問題が夫婦間に存在していたはずです。カウンセリングでは、「浮気だったとしても、なぜそれが必要であったのか?」ということを、その体験を受け入れながら理解をしていきます。それは、「幸せなパートナーシップを持つことを自分に許せるようになる」ということが、家庭に戻った後に必要な心のプロセスになっていくからです。

苦しい思いなどがある場合は、一人で抱え込まず、カウンセリングなどを使ってラクになることも一つの方法といえます。