
厄年とは?
厄年とは、一生のうちで特に災厄が降りかかりやすい特別な年のことを指します。
厄年では怪我や病気、事故などのトラブルや不幸に遭いやすく、本人だけでなく周囲の人間にも災厄が降りかかることがあると言われています。
厄年の「厄」は、「災難」「苦しみ」という意味があります。
それを裏づけるように、「災い」と「厄」はともに「わざわい」と読みます。
厄年は特定の人が迎えるものではなく、すべての人に人生のうちに3回巡ってきます。
厄年は不幸なことが起こるだけでなく、仕事、家庭などで大きな変化が起こりやすくなります。
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厄年の起源や由来は?
厄年の起源は諸説あり、いつから始まったのか明確な資料はありません。
一説には古代中国で発生した陰陽五行説から派生した日本の占術や呪術が起源とも言われています。
平安時代の書物には厄年の厄を祓う儀式に関することが書かれていたため、少なくとも平安時代以前には存在していたと考えられます。
昔は寿命が50年と短命だったため、「年祝いの節目の年」や、体調を省みる節目の年として「役年」と呼んでお祝いされてきました。
医療の発展と食物の充実によって寿命が長くなるとともに、禁忌の側面が注目されたと考えられます。
前厄・本厄・後厄とは?
厄年には、「前厄」「本厄」「後厄」の3つがあり、これらが続いて訪れるため、一度厄年がくると3年間、厄が続きます。
本厄の前年が「前厄」、そして厄年である「本厄」、本厄の翌年が「後厄」と呼ばれています。
・前厄は本厄を迎えるにあたり慎むべき1年
・本厄は最も災いに注意する1年
・後厄は調子を整える1年
本厄の前後に厄年がある理由には、「大きな厄の前には前兆が訪れ、大きな厄の後には厄が薄れて消えるまで余韻があるから」や、「人生の大きな変化には、3年ほどかかるから」など、諸説あります。
2024年【男女別】厄年早見表
2024年に厄年を迎える人たちを男女別に紹介します。全て数え年で記載しています。
大厄は、男性の場合は42歳、女性の場合は33歳で、より注意が必要な年齢と言われています。
■男性
前厄 | 本厄 | 後厄 |
24歳 平成13年(2001年) | 25歳 平成12年(2000年) | 26歳 平成11年(1999年) |
41歳 昭和59年(1984年) | 42歳 昭和58年(1983年) | 43歳 昭和57年(1982年) |
60歳 昭和40年(1965年) | 61歳 昭和39年(1964年) | 62歳 昭和38年(1963年) |
■女性
前厄 | 本厄 | 後厄 |
18歳 平成19年(2008年) | 19歳 平成18年(2006年) | 20歳 平成17年(2005年) |
32歳 平成5年(1993年) | 33歳 平成4年(1992年) | 34歳 平成3年(1991年) |
36歳 平成元年(1989年) | 37歳 昭和63年(1988年) | 38歳 昭和62年(1987年) |
60歳 昭和40年(1965年) | 61歳 昭和39年(1964年) | 62歳 昭和38年(1963年) |
厄年にやってはいけない事とは?
ここからは、厄年にやってはいけないことを紹介していきます。
1.新しく始めること
厄年を迎えたら新しいことを始めるのは控えるべきと言われています。
たとえば進学や就職、新しく趣味を始めるなど、人生の大きなスタートを切ることはしてはいけないとされています。
これには理由があります。
昔は人間の寿命が50年だったため、ちょうど厄年を迎える頃は体調に大きな変化が見られる時期でした。
そんな時に新しいことを始めると心身に負荷がかかるため避けたほうが良いという意味合いだったようです。
2.人生の転機となること
厄年では転職、引っ越し、起業、結婚、家の新築や購入など人生の転機になることは避けたほうが良いと言われています。
とはいえ、女性の厄年は19・33・37歳、男性は25・42・61歳と、人間的に成熟し人生の大きなターニングポイントを迎える節目にありますので、無理に転機を避ける必要はありません。
昔は人生の節目を祝う役年だったことを考えると、これまでの人生に感謝し、一層慎重に進めば良いとも言われています。
3.無理をしすぎること
厄年は体調の変化が起きやすい節目の時期のため、心身が万全でない可能性があります。
そんな時期は、いつもと同じことをしていてもうまく消化できず、心身に大きな負担となることがあるため、無理をしすぎることは避けましょう。
ただ「厄年中はこれはダメ、あれはダメ」と気を張りすぎたり、「何をしても厄年だから…」と思い込んだりすると、余計にしんどくなってしまうため、厄年を気にしすぎず自分のペースで過ごすことも大切です。
厄年にやるといい事は?
それでは、厄年にどんなことをすると良いのでしょうか?
1.身の回りの掃除
掃除をして汚れを落としたり、ゴミを捨てたりすることで厄が落とせると言われています。
厄に関係なく、空気の淀みや不要な物が溜まると運気が滞るとされていますので、定期的に身の回りを掃除してスッキリさせましょう。
特に空気の入れ替えが起きやすい玄関や窓は開運を迎えるスポットなので、意識して掃除してみてください。
また、お風呂は「汚れを落とす=厄を落とす」場とされ、厄が溜まりやすい場なので念入りに掃除しましょう。
2.整理整頓や断捨離
厄は物やゴミとともに溜まると考えられているため、整理整頓や断捨離を行って身の回りをスッキリさせると厄を寄せつけないと言われています。
また部屋が清潔になり、視界的にもスッキリすることで気持ちも晴れやかになり、精神的にも良い影響があります。
厄年は注意すべき点が多々あり、気分が塞ぎがちです。
心にゆとりを持って受け流せるよう、整理整頓や断捨離を行って、ストレスのきっかけとなるものを取り除きましょう。
3.バランスの良い食生活
バランスの良い食生活を心がけることも、厄年を安泰に切り抜けるために良いこととされています。
食生活は体作りと同義です。
人生の節目となる厄年は体調を崩しやすいため、体を壊さないよう、朝・昼・晩と規則正しく食事を取り、より一層栄養バランスに気をつけましょう。
暴飲暴食やアルコールの過剰摂取は、体を壊すだけでなく、精神的なバランスも崩してしまいます。
いつもと体調が違う厄年では控えたほうが良いでしょう。
4.健康に気づかう
前述したように、厄年は昔から体調に変化が起きやすい節目の時期と言われているため、いつもと同じように過ごしているつもりでも体を壊しやすくなったり、精神的なストレスを受けやすくなったりします。
厄年の間は一段と健康に気をつかい、体調管理に努めましょう。
食生活だけでなく、睡眠と休息をしっかり取り、適度な運動を続けることも大切です。
また、体のリズムを崩さないよう、規則正しい生活を送るよう心がけてください。
5.心に余裕を持つ
厄年は災いが起きやすい年として悪いイメージが強いため、どうしても気になってしまうという人は多いでしょう。
しかし厄年や災いを意識しすぎてしまうと、何をしても不安になったり、怖くていつもと同じことができなかったりするなど、余計にストレスを溜め込んでしまいます。
ストレスは心身に悪影響が出るばかりか悪運を呼ぶとも言われていますので、厄年を気にしすぎず、適度にリフレッシュして精神的なゆとりを持つようにしましょう。
どうしても気になる時は厄払いを
ここまで、厄年について解説しましたが、自分が厄年にあたり、どうしても気になる方は厄払いを行うと良いでしょう。
ここからは、厄払いの方法やタイミングについて、解説していきます。
厄払いの方法は?
厄払いは、神社とお寺で受けられます。
神社では社務所で「厄除け祈願」をお願いすると、神職の方が社殿で神様からのご加護を受けるための祝詞を唱え、大麻(おおぬさ)で参列者をお祓いして清めてくれます。
最後に厄年の方が社殿に向かって玉串を供えれば完了です。
お寺では、「聖なる炎」と呼ばれる護摩壇の炎の中に供物を捧げて厄除け祈祷を行う、護摩祈願を行います。
厄除けというと神社の祈祷をイメージする人が多いですが、実はお寺の護摩祈願は2000年以上続く歴史ある祈祷法で、天皇や時の権力者も代々行ってきました。
厄払いのタイミングは?
厄払いのタイミングは、元旦から立春までに受けるのが良いとされています。
立春は2月4日頃なので、目安として2月3日の節分までに行うと良いでしょう。
なぜ立春が軸になるかというと、立春が旧暦の新年にあたるためです。
しかし、この時期を過ぎたからといって厄払いができないわけではありません。
1年中いつでも受けられますので、自身にとって最適な時期に受ければOKです。
とはいえ、なるべく早めが好ましいでしょう。
厄払い・厄除け・厄落としの違いは?
厄を祓う方法には厄払い・厄除け・厄落としなどがあり、それぞれ意味が異なります。
厄払いは神社でのお祓いを指し、悪いものを追い出してもらうお祓い方法です。
対して、厄除けはお寺でのお祓いを指し、自分に悪いものを寄せつけないようにするお祓い方法です。
厄払いと厄除けは考え方や効能が違うため、両方行っても良いとされています。
厄落としは厄払いと厄除けとは考え方が異なり、たとえば大切なものをわざと落とすなど、自分でわざと災厄を作り出してそれを祓うことで、これ以上の災厄が生まれないようにするというものです。
厄年に縛られすぎないように心構えを
「災いが起きやすい」と言われる厄年。
しかし、そもそもは節目まで生き、成長したことを祝う年でした。
言い換えれば、厄年はこれからの人生がより順風満帆になるよう、「挫折を避けるために慎重に過ごしましょう」という昔の人の教えなのです。
悪いイメージに捉われず良い方向で解釈をして、心穏やかに過ごしてくださいね。